【チェリストがおすすめ】弦楽合奏曲・入門編

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今回は、弦楽器だけで演奏される曲を紹介します。弦楽合奏はバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの楽器で編成されています。

四重奏は英語で「カルテット」と呼ばれ、こちらの方が馴染みのある呼び名かも知れませんね。カルテットはバイオリンが2人、ビオラが1人、チェロが1人で構成されます。バイオリンは1stバイオリン(ファーストバイオリン)、2ndバイオリン(セカンドバイオリン)と弾く楽譜が違います。曲によって多少違いはありますが、主に主旋律は1stバイオリン、サポート約メインが2ndバイオリンです。

カルテットより多い人数になると弦楽合奏となり、各楽器の人数が増え、一番音域の低いコントラバスも入ります。

今回紹介する曲は、入門編として馴染みやすく演奏時間が短い、分かりやすい曲をセレクトしてみました。まずは聴いてみて下さい。

ボロディン 弦楽四重奏曲第2番

ロシアの作曲家、ボロディンの弦楽四重奏曲です。4つある楽章の中でも、1楽章と3楽章はとても人気があります。3楽章は「夜想曲」でとてもロマンチックなメロディーです。

どちらの楽章もチェロがメロディーを弾いて始まるので、チェリストには大変人気の曲です。また、主旋律を弾いているファーストバイオリンやチェロの後ろで動く、セカンドバイオリンやビオラは低音域でしっかり主張することで曲の厚みが出てくるので、ちょっと意識して主旋律以外に耳を傾けても面白いです。

ちなみにこの弦楽四重奏曲、ボロディンが自身の奥さんに捧げた曲なんです(愛を告白した20周年記念)。あんな美しく甘いメロディーの曲を贈られた奥さんはさぞ嬉しかったでしょう!

人気や曲の評判を分かりやすく表現すると
「3楽章>1楽章>>>2楽章>>>>>>>>>>>>4楽章」
と言われているようで、ちょっと4楽章が可哀想ですね(笑)

まずは3楽章から聴いてみて、似たような雰囲気でもう少しテンポの速い曲が良ければ1楽章、ゆったりとしたメロディーより全体的に早い動きの曲が良ければ2楽章をおすすめします。

2楽章はボロディンらしい曲調なので、この楽章に興味があれば、「ボロディン交響曲第2番2楽章」や「だったん人の踊り」はおすすめします。

動画は3楽章から始まるようにしてありますが、気になる方は他の楽章も聴いてみてください。次に聞くなら1楽章がおススメです♪

Borodin String Quartet No. 2 (Vector Quartet)

チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第1番

こちらもロシアの作曲家、チャイコフスキーが作った弦楽四重奏曲です。チャイコフスキーと言えば、メロディーが美しく、激しさも持ち合わせておりとても人気の作曲家です。

1楽章はミュートを付けて演奏するので、音がややこもった感じでゆったりとした始まりから、徐々に激しさを増し、最後は勢い良く終わります。こういった人の感情を揺さぶる感じがいかにもチャイコフスキーらしい楽章です。

2楽章は「アンダンテ・カンタービレ」として単独で演奏されることもある大人気の楽章です。バイオリンの優しいメロディーで始まります。盛り上がったところで出てくる全休符がまさに絶妙で、音の無い空間に引き込まれること間違い無しです!

1楽章から2楽章を続けて聴いて欲しいです。

Tchaikovsky: String Quartet No. 1 | Julia Fischer Quartet (2022)

ドヴォルザーク 弦楽セレナーデ

チェコの作曲家、ドヴォルザークの曲で弦楽器だけで編成された曲です。弦楽四重奏より人数が多いので、音の響きに厚みが出ています。

「弦楽セレナーデ」で有名なのはチャイコフスキーの弦楽セレナーデで、テレビCMでも使われました。あまりにも象徴的なメロディーのせいで、他の楽章の記憶が全然ありません(笑)

ドヴォルザークの弦楽セレナーデは、全楽章を通してメロディーが素敵で、全体的にはゆったりとしたしながらも、5楽章の最後は一気に駆け抜けていく爽快感があるのでとても気持ちが良いです。

聴き方のおすすめは、1楽章→5楽章です。と言うのも、もちろん全曲通して聴いて欲しいですが、全体で30分位あるので長いです。5楽章の後半、1楽章のメロディーが再登場してくるので、関連性があって良いですよ!

Antonín Dvořák: Serenade for Strings | NCO · Tønnesen

グリーグ ホルベルク組曲

ノルウェーの作曲家、グリーグの弦楽曲です。曲調は暖かさと寒さが混じったような曲で、北欧らしい感じを受けます。全体的にゆったりとしていて、派手さがなく素朴な印象を受けます。

1楽章の冒頭、ボッとストーブに火がついて徐々に暖かさが増していくようなクレッシェンドがとても好きです。バイオリンの高い音が氷の冷たさ、鋭さを表現し、チェロやコントラバスの低音部が暖房のような暖かみを感じさせてくれます。約3分間、勢いを保ったまま進む曲なので、まずは1楽章を聴いてみて欲しいです。

2、3楽章は和音進行していき、チェロやバイオリンがメロディーで引っ張っていきます。楽譜はあまり難しくないですが、チェロにはソロパートがあるので慣れないと緊張します。

5楽譜は、コンサートマスターの独壇場です(バイオリンで一番前に座っている偉い人)。早いテンポで細かい動きが続き、オクターブで音符が飛んだりするので本当に大変!ここが弾ける実力があれば、この曲は演奏出来ます。聴いている方としては、明るく飛び跳ねてる感じが楽しい楽章です。

Holberg Suite | Grieg | Netherlands Chamber Orchestra | Concertgebouw

まとめ

いかがでしたでしょうか?弦楽合奏はやや地味な印象かも知れませんが、楽器の構造がほぼ同じなので音がまとまりやすく、聴きやすいと思います。

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