【チェリストがおすすめ】かなり変わったクラシック曲

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今回は、かなり変わったクラシック曲を紹介します。前回の「ちょっと変わったクラシック曲」は聴いたことがあったり、人気のある曲だったのに比べ、今回紹介する曲はワンランク上の変わった曲です。では、早速どうぞ!

そして誰もいなくなった・・「ハイドン 交響曲第45番」

オーストリアの作曲家、ハイドンの曲です。「誰もいなくなった」は正直言い過ぎましたが、正確には、曲の終盤で徐々に人が退場し、最後はヴァイオリンの2人だけしか残らない演出のある交響曲です。別名「告別交響曲」とも呼ばれています。

ではなぜ、こんな演出になったのでしょうか?

ハイドンは宮廷楽団に勤めており、楽団員はエステルハージ侯爵のもとで働いていました。この侯爵が都市部を離れて生活している間、楽団員たちも侯爵について行かなければいかず、我が家から遠く離れた地で働かなければなりません。

楽団員は早く家に帰りたいけど、侯爵に直接帰りたいと伝えるには角がたってしまう。そこでハイドンがこの交響曲で侯爵に伝わるよう、1人、また1人と退場していく演出をしたと言われています。直接伝えてはいませんが侯爵もハイドンの意図をくみ取り、翌日には家族のもとに帰る事が出来ました。

曲としては、25分程度で交響曲としては短めです。人が減っていく演出があるのは4楽章の終盤です。楽器が徐々に減り、音が小さくなり、CDだけで聞いていると分からないくらい上手に曲を書き上げたハイドンはやはり凄いです。

ホルンが減り、オーボエが減り、徐々に減っていって途中で指揮者もいなくなります(笑)最終的にはバイオリンが2人で終わりを迎えます。

Haydn Symphony no. 45 Farewell Symphony – Sinfonia Rotterdam/ Conrad van Alphen

演奏が始まらず、終わる  「ジョン・ケージ 4分33秒」

アメリカの作曲家、ジョン・ケージの曲です(曲と言って良いのか分かりませんが)。というのも、楽譜は全て「休符」となっていて、弾く音がないのです。曲名も、初演された時の長さが「4分33秒」だったためで、演奏された時間が1分だったら曲名も「1分」、1時間であれば「1時間」となる曲です。

この曲の狙いは、演奏を見に来た客の咳払いや服のこすれる音、空調の音、外の音など様々に聞こえてくる周りの環境音を曲としています。絵画でも、無地のキャンバスを飾り、照明や人の影などを作品として掲示する事があり、これのクラシック版のような形ですね。

動画を載せるのもどうかと思いましたが、きっちり4分33秒測って演奏?してくれた動画がありますので、見てください。フジテレビ「トリビアの泉」で取り上げられた事もある有名な曲です。ネタとして知っておくと面白いかも知れませんね。

John Cage: 4'33" ver.Orchestra / Kanagawa Philharmonic Orchestra – Gen Ohta, ジョン・ケージ 4分33秒 神奈川フィル

救急車を呼んで下さい! 「マウリツィオ・カーゲル フィナーレ」

アルゼンチンの作曲家、マウリツィオ・カーゲルの曲です。全体は25分の曲で、ラスト5分に事件は起こります、指揮者が倒れます!

フラフラと貧血のように倒れるのではありません、右手を高く上げ、心臓の辺りを苦しそうにさするも、譜面台とともに観客側に倒れ込む、といった演出があります。知らないでこの曲を聴いていたら、演奏会を中止してでも助けに行きたくなりますね!曲が終わるまでの5分間、指揮者はほったらかしのようで、曲の終わりと共に演奏会も終わるため、指揮者の扱いが気になりますね(笑)

カーゲルの音楽はパフォーマンス的要素が多く、前衛的な作曲家です。音だけでなく映像として作られた曲ですね。

Mauricio Kagel – Finale

もう1つ有名な曲に「ティンパニに顔を突っ込む」という指示のある曲もあるそうで、とにかく大きい音の表現のようです。

Peça de Concerto para tímpanos e orquestra de Mauricio Kagel

4、曲は美しいけど・・・ 「エリック・サティ 犬のための本当にぶよぶよした前奏曲」

フランスの作曲家、エリック・サティのピアノ曲です。サティと言えば「ジムノペティ」の美しいメロディーで有名ですが、実は「音楽会の異端児」と言われています。

ドミソのような綺麗な和音(調性音楽)のルールに従わない曲作りを行ったり、「家具の音楽」と言われる今でいうBGMとして聴いて欲しくて作った曲など、新たなクラシックの可能性を広げていった先駆者です。

また、「家具の音楽」の影響を受けて、先ほど紹介したジョン・ケージ作曲の「4分33秒」が生まれたとも言われています。

さて、「犬のための本当にぶよぶよした前奏曲」の作曲前に実は「犬のためのぶよぶよした前奏曲」という曲を作っていました。前作を出版社に持ち込んだ際、出版を断られたため、前奏曲として「本当の」作品だという思いを込めて「本当の」を付けた新しい曲が生まれました。

サティの作品には変なタイトルが多く「ビックリ箱」、「古い金貨と古い鎧」、「不思議なコント作家」とこの辺りはまだ序の口で、「干からびた胎児」、「はた迷惑な微罪」、「でぶっちょ木製人形へのスケッチとからかい」と、意味が分かりません(笑)サティは、タイトルだけで曲を評価する人々を皮肉って付けたとも言われています。

Erik Satie «Trois Véritables préludes flasques (pour un chien)

まとめ

いかがだったでしょうか?最近になって作曲されたものはさらにクレイジーな曲やパフォーマンスがあり、もう訳が分からないものもあるようです。今後、変わった曲があったら載せて行きますね!

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