【チェリストがおすすめ】学生オケにおすすめな選曲・交響曲(中級編)

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今回は、学生オーケストラにおすすめの選曲・交響曲(中級編)を紹介します。

前回ご紹介した「学生オケにおすすめの選曲・交響曲(初級編)」では、交響曲の難易度が比較的低めのものを紹介しましたが、今回は中級程度の難易度な交響曲を紹介します。

中級程度になると、メジャーな曲を選びやすくなります。また、編成面でトロンボーン、チューバ辺りが組まれているものも出てくるので、自分達の都合で選びやすくなってきます。

では、早速ご紹介していきます。

シューマン交響曲第3番「ライン」

編成:-チューバ
難易度:★★☆☆☆
知名度:★★☆☆☆

シューマンの交響曲で、3番となっていますが作曲した順では4番目なので、シューマンの最後の交響曲です。

副題の「ライン」はシューマンが付けたものではありませんが、全体的にゆったりとしたテンポと伸びやかな曲調が、豊かな景観のライン川をイメージさせます。

4楽章は、5楽章に繋がる楽章なので大事だけどやりにくい楽章です。長い旋律を金管楽器が演奏し、弦楽器が合間に短いメロディーを弾きます。平坦な楽章なので聴いている方が飽きてしまいそうです。演奏していてもしっくりこない感じがあるので、ある意味とてもシューマンらしい楽章かも知れません。

続く5楽章は、交響曲第1番「春」を彷彿とさせる伸びやかなメロディーが出てきます。シューマンの明るいメロディーは心が穏やかになり良いですね。

ゆったりと楽器を鳴らす事で、伸びやかな雰囲気が出る中級編の中では演奏しやすく、曲の長さも約35分とメインに向いていておすすめです。

Schumann: Symphony No. 3 in E-flat major, Op. 97 "Rhenish" – philharmonie zuidnederland – Live HD

シベリウス交響曲第2番

編成:+チューバ
難易度:★★★★☆
知名度:★★☆☆☆

率直に言うと、トランペットがやれるなら大丈夫です。ハイトーンを一発で当てなければいけない場面が多く、ロングトーンからのクレッシェンド、終盤も長い締めがあり、技術のみならずかなりの体力を使います。私はチェロ弾きですが、トランペット吹きだったら勘弁してくれ!と言いそうです。

ただ、トランペットの次に重要なのが低弦部の力量です。細かいパッセージをしっかり聞こえるように弾かなければ曲が締まりません。

初級編と比較してバイオリン、木管等は全体的に難しくなっていますが、やはりトランペットと低弦部の技量が大事ですので、選曲にあがったら頑張るのみです。

北欧の作曲家らしく、冷たく厳しい冬の中でも温かみを感じるシベリウスらしい作品です。他の作品で「フィンランディア」はサブになりそうですし、同じく北欧ノルウェーの作曲家グリーグの「ペールギュント」は有名なフレーズの多い曲なので、北欧プログラムも面白そうです。個人的には弦楽合奏曲ですが「ホルベルク組曲」を入れて、管楽器を温存するというプログラムも面白そうです。

Sibelius: 2. Sinfonie ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Susanna Mälkki

ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界」

編成:±0
難易度:★★☆☆☆
知名度:★★★★★

知名度は、クラシックを知らない人でも絶対聴いたことのあると言えるレベルの交響曲です。

2楽章のイングリッシュホルンのメロディーは「家路」と名前が付けられては歌曲になったり、夕方5時に鳴る地域のメロディーだったりしますね。誰もがイメージを持っているメロディーを弾くのは大変ですが、ゆっくりとしたメロディーなのでさほど難しくないです。

ドヴォルザークの最後の交響曲ですが、難易度は低めです。後期の作品で言えば交響曲8番も難易度が低く人気もあるので良いかも知れません。交響曲第7番は中級編では紹介出来ない難しさなので選考外としました。

2楽章は、イングリッシュホルンのメロディーはもちろん大事ですが、フルートが大変です。ずっとソロの印象があるくらい、吹きっぱなしです。伴奏に低音域のパートが少ないので、薄い氷の上をフルートが独りで舞っているような印象を受けます。木管パートの見せ所、他の楽器は休憩といった楽章です。

4楽章は、もちろん冒頭のトランペットが重要です。これを外したら新世界をやる意味が無くなるので頑張りましょう。過去に、交響曲第8番の4楽章冒頭のトランペットがミスったのを聴いたとき、聴いているこちらまでぞっとしました。チェロ弾きはあのプレッシャー耐えられそうにありません(笑)

また、ヴァイオリン、フルートとメロディー楽器は大活躍です。ヴァイオリンはここまで目立つ見せ場がなかったので良いですが、フルートは全楽章通して仕事が多いです。ちょろっとチェロがメロディーを弾きますが、やや物足りないですね。

とても華やかでかっこいい交響曲です。全体的なレベルの高さよりも、メロディー楽器の技量が高ければ良い出来になります。最悪、トランペットが抜群に上手ければ形になります。

Antonín Dvořák – Symphony No. 9 ‘From the New World’ – Klaus Mäkelä | Made in America

ブラームス交響曲第2番

編成:+チューバ
難易度:★★★☆☆
知名度:★★★☆☆

ブラームスの交響曲は飛び抜けて難しい曲はなく、どの曲も素晴らしいので全部と言っても問題ないですが、2番だけは唯一チューバが編成されているので選びました。

重厚な音の交響曲なので、主旋律の裏では聞こえにくいけど結構どの楽器も弾いていて、演奏量の多い曲です。セカンド、ビオラが刻んでいたり、管楽器がロングトーンを吹いたり、ブラームスらしいです。

中でも1、2楽章はヴァイオリンが大事です。高い音への跳躍が多いメロディーは外せません。ブラームスの跳躍は印象的で、「大学祝典序曲」でも音階の上下を刻みながら高音を当てるのは大変です。

3楽章は冒頭から木管楽器のアンサンブルのような形で他の楽器は出番薄ですが、ヴァイオリンを休ませる気はないようで、伴奏をさせながら終盤はきっちりメロディーを弾き、4楽章通して活躍します。ヴァイオリンの技量が十分であれば、編成面でとても良い交響曲です。

Brahms: Symphony No.2 / Seiji Ozawa Saito Kinen Orchestra (2009)

ベートーベン交響曲第7番

編成:-トロンボーン、チューバ
難易度:★★★☆☆
知名度:★★★☆☆

ベートーベン後期の作品ながら、編成はコンパクトになっており、楽譜をさらうだけなら問題ないと思います。古典の作品なので音符の長さに気をつけながら、全体のアンサンブルに真剣を使うと曲の完成度が上がります。

全体を通してリズミカルな曲なので、リズム感を失わないよう演奏する事が必要です。特に2楽章は遅いテンポなので重たく弾いてしまいがちになりますが、音符を長く引きずると全体を通してリズミカルなこの交響曲がつまらなくなってしまうので、意識は前に進む感じで弾きましょう。

また、フォルテよりピアノの表現が大事です。古典なので、チャイコフスキーのようなフォルテではない分、ダイナミクスの幅が狭いので音色でピアノを表現すると良いです。

早いパッセージでも1つ1つの音符をハッキリ弾き、周りの楽器を良く聴き、全体のバランスを意識すると響きが良く、素晴らしい演奏になります。

ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」|マレク・ヤノフスキ – NHK交響楽団

チャイコフスキー交響曲第5番

編成:±0
難易度:★★★★☆
知名度:★★★☆☆

クラシック経験者なら必ず1度は演奏したことがあると言って良いほど演奏される曲だと思います。美しいメロディー、派手なフォルテ、怒涛の勢い、どの楽章とも素晴らしいです。また、頑張れば弾ける難易度ってのが助かります!

短い期間で私も2度演奏しました。学生オケ、市民オケにはとても重宝されている名曲です。第6番「悲愴」よりも耳にする機会は多いと思います。

チャイコフスキーなので、金管楽器は技術、体力がともに必要となります。

特に、4楽章はトランペットの為にあります。ヴァイオリンが忙しく動くし、低弦も結構動きます。が、全てはトランペットの華やかな響きを盛り上げるための前座に過ぎません。

チャイコフスキーらしく、高い音でパパパパと連続して吹いたり、曲の最高潮でパーン!と高音域の出番が待ってます。歯切れの良い強めな音色が無いと長い曲が台無しになるので、ハイトーンを一発で当てる技術必須です。

音符の量が多くフォルテも多いので疲れますが、最後まで演奏し切れればとても気持ちよいですよ!

Tschaikowsky: 5. Sinfonie ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Manfred Honeck

まとめ

いかがだったでしょうか?あくまで個人的な評価なので偏りはあると思いますが、チェロ奏者としての経験から低弦パートの信ぴょう性は高めだと自負してます!

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