【チェリストがおすすめ】学生オケにおすすめな選曲・序曲、オープニング曲編

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学生オケにとって、選曲はとても重要で大変な作業です。演奏人数や難易度の制限が強いので、演奏出来る曲を探すのが大変だと思います。

演奏会の曲を決める順序としては、メインを決めてから、中プロとセットでオープニングを決める事にとなるのが一般的で、メイン以上に条件が厳しくなる事もあるので、とにかく多くの曲があることを知っておく事が重要です。

私自身も2年生の終わり頃からチェロパートのトップになり、実力も不十分ながら少ない知識で選曲を探すのがとても大変でした。

そこで、学生オケの皆さんに選曲の参考となるよう、楽器編成、クラシックを知らない人に対する知名度、演奏時間を評価し、実体験も交えて演奏のポイントや曲紹介をしていきます。

難易度:初級編

初級編は、モーツァルトとベートーヴェンの古典派だけになります。古典の作品なので編成が小さく、難易度も比較的易しいです。トロンボーン、チューバが無いので、中プロに編成の大きい曲を持ってくるとバランスが良いです。

モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 2, Tp: 2,Timp: 1
知名度:★★
演奏時間:6分

とてもシンプルな序曲で、初級編の中でも1番易しい曲です。

冒頭はニ短調の重たい雰囲気ですが、転調し長調になるとモーツァルトの軽やかな部分が出てきます。

バイオリンのパッセージはあまり細かくないので、1年生でもしっかり練習すれば演奏会に出られる曲です。

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 2, Tp: 2,Timp: 1
知名度:★★★★★
演奏時間:5分

誰もが知っているモーツァルトの序曲です。

冒頭、弦楽器が細かく動く部分で、1音1音ハッキリ弾けないとモゴモゴしてしまい曲の雰囲気を台無しにしてしまいます。

細かいパッセージを1つ1つ歯切れよく弾く練習をすれば大丈夫なので、遅いテンポから徐々に上げていけば今後の演奏にも役立ちます。

ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 2, Tp: 2, Timp: 1
知名度:★★
演奏時間:5分

ベートーヴェンには珍しいバレエ音楽の序曲です。バレエの演奏機会はほとんどなく、序曲のみ演奏される事が多いです。

冒頭、トゥッティで和音を「ジャン!」と鳴らすんですが、これがかなり緊張します。6回あって、これが上手く響けば安心です。

低音パートが気持ちフライング気味で行かないと、客席ではバイオリンが飛び出して聴こえるので、客席に1人置いて聴きながら調整する事をおすすめします。

ベートーヴェン:「フィデリオ」

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, ,Timp: 1
知名度:★★★
演奏時間:6分

ベートーヴェンが唯一作ったオペラ「フィデリオ」の序曲です。

実は、オペラ「フィデリオ」の序曲は4つあり、「レオノーレ1番」、「レオノーレ2番」、「レオノーレ3番」と書き直され、最後に完成した序曲が「フィデリオ」です。

ベートーヴェン:「エグモント」

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Timp: 1
知名度:★★★★
演奏時間:9分

ベートーヴェンの序曲の中では1番人気の曲です。重々しい雰囲気で、音階が下降するにつれてクレッシェンドする低音パートが好きな曲です。

フラットが4つあるのでやや演奏しにくかったです。弦楽器がしっかり弾けると曲に重みが出て良い演奏になります。その上で、ピッコロが最後に活躍するととても良いオープニングを飾れます。

ベートーヴェン:「コリオラン」

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 2, Tp: 2, Timp: 1
知名度:★★★
演奏時間:7分

この曲はオペラやバレエの序曲ではなく、演奏会のオープニングのために作曲されたものです。

同時期に交響曲第5番「運命」、交響曲第6番「英雄」など超有名な曲も作曲していました。

難易度:中級編

中級編は初級編と比べるとグッと大きな編成になってきます。ロマン派の作品が多いので、華やかで美しいメロディーの曲がオープニングにとても合います。

難易度は弦楽器の早いパッセージがあったり、管楽器のソロがあったりとやや難しくなりますが、編成の大きさでなんとかカバー出来そうな曲を挙げました。

ワーグナー:「ローエングリンより第3幕への前奏曲」

編成:Fl: 3, Ob: 3, Cl: 3, Fg: 3, Hr: 4, Tp: 3, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1
知名度:★★
演奏時間:3分

大編成の曲です。ワーグナーらしいパワフルな管楽器、跳躍するバイオリン、優雅なメロディーの低弦部と短い時間で聴衆を魅了する迫力はオープニングにとても相応しいです。

タイトルだけ見るとどんな曲か分からないので知名度としては低いですが、曲の冒頭からお客さんを引き込む力のある曲です。

チャイコフスキー:「スラブ行進曲」

編成:Fl: 2, Picc: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Crnt: 2, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, BD: 1, SD: 1,銅鑼
知名度:★★
演奏時間:10分

おどろおどろしい低弦部の伴奏から始まる曲で、ロシアの冬を感じさせるようなメロディーが魅力的です。

徐々に大きく激しいうねりの頂点が過ぎると、急に転調し明るい長調に変わります。最後はチャイコフスキーらしいド派手な管楽器の演奏でスッキリさせてくれます。

グリンカ:「ルスランとリュドミラ」

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Cfg: 1, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3
Timp: 1
知名度:★★
演奏時間:5分

スコアを見れば分かりますが、弦楽器が弾ければそれ以外はたいして難しくありません。逆に言うと、弦楽器の指が回らなければ演奏出来ません。

テンポとパッセージは早いですが、難しい跳躍がある訳ではなく音程の上昇下降ばかりなので、しっかり練習してそれなりのテンポに設定すればそこまで不可能では無いです。

ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」

編成:Fl: 2, Picc: (1), Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, BD: 1, SD: 1,チューブラーベル
知名度:★★★★
演奏時間:8分

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートで必ず演奏される有名な曲です。

聴き流していると分からなかったですが、バイオリンは結構弾かされて大変なのと、テンポの変化が激しい難しい曲です。

独特の間があるので、思い描いた雰囲気を出すのも難しいです。最後のあんなに忙しそうなピッコロは聴いたことがありません。

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 2, Tp: 2,Timp: 1
知名度:★★
演奏時間:10分

中級編の中では唯一、編成が小さい作品です。メンデルスゾーンの若い頃の作品なので、やや古典的な雰囲気を感じられます。

編成が小さい分、基礎的に弾けないと聴いていられません。コントラバスにとっては、珍しく結構細かいパッセージがあるので楽しめます。

終始暗い重い雰囲気で、最後も静かに終わる曲のため、北欧プログラムとして雰囲気を統一するのか、古典的な曲で統一するのか、一転して明るい中プロで行くのか、やや他の選曲に与える影響が大きい曲です。

ボロディン:「中央アジアの草原にて」

編成:Fl: 2, Ob: 1, Ehr: 1, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Timp: 1
知名度:★★★
演奏時間:7分

管楽器の各パートにソロがあるので、緊張感が高いです。イングリッシュホルンの音色の為に作曲したと言っても過言ではないメロディーが郷愁を誘います。

弦楽器はかなり楽で、バイオリンは曲の半分くらいフラジオで同じ音を耳鳴りのようにならしています。チェロとビオラが若干おいしいくらいなので、管楽器パートに選曲の判断は任せましょう。

難易度:上級編

上級編はなかなか歯ごたえがありとても難しいです。上級編を選曲出来る学生オケであれば、人数が多く演奏レベルも高いオケでしょう。メイン、中プロとコンセプトを持って選曲すれば素晴らしい演奏会となります。

スッペ:「軽騎兵」

編成:Fl: 1, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3,Timp: 1, Cym: 1, BD: 1, SD: 1
知名度:★★★★
演奏時間:6分

冒頭のトランペットファンファーレがとても有名なオペレッタ「軽騎兵」の序曲です。華やかな音色がオープニングに合います。

冒頭と終盤のハッキリした長めの音と、中間部の柔らかく短い音の吹き分けが出来ないとメリハリの無いつまらない演奏になってしまいます。

トランペットが問題なければ、人数の問題は特にないので、トランペットに判断は委ねましょう。

ブラームス:「大学祝典序曲」

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Cfg: 1, Hr: 4, Tp: 3, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, BD: 1
知名度:★★
演奏時間:10分

ブラームスがブレストラウ大学から名誉博士号を授与された事への返礼で作曲された演奏会用序曲です。4つの学生歌とブラームスのメロディーを繋げて作曲された作品です。

ブラームスの作品の中でも明るく華やかな雰囲気が人気です。

問題は「バイオリンが終盤弾けるか」です。高音が多用されており、上昇して高音にたどり着くパターンと、高音から下降するパターンの2つがあり、どちらもこれでもかというくらい何度も出て来ます。

バイオリンパートの皆さんが頑張れそうなら、ファンファーレ的な要素があるのでオープニングに向いています。

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Timp: 1
知名度:★★
演奏時間:8分

ウェーバーの最高傑作と言われているオペラ「魔弾の射手」の序曲です。

重々しい雰囲気のこの曲は、3分半を過ぎた辺りの中間部で難易度が一気にアップします。

チェロがメロディーを奏でる部分で、1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラと順番にシンコペーションで入ってくるのですが、音程が低いので聴き取りにくく、演奏が合っているのかズレているのか分かりにくいため、とても怖いです。

この一部分さえクリア出来れば、残りはさほど難しくありません。ドイツ音楽らしい重厚な響きが人気の曲なので、ドイツ音楽縛りや、ウェーバーを尊敬していたワーグナーの「ジークフリート牧歌」を中プロにするなど面白いです。

ワーグナー:歌劇「タンホイザー」より”序曲“

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 3, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1
知名度:
演奏時間:15分

とんでもない曲です。正直、チェリストとしては絶対やりたくない曲です。中盤からやや後半にかけて、ビオラと一緒にやたら弾かされます。しかも、どんなに頑張って弾いても他の楽器がフォルテで鳴らしているのでほぼ聴こえません。

あとは刻み。音の厚みを出すための動きがどうも好きになれません(笑)

ワーグナーらしい重厚長大な序曲で、モーツァルトやハイドンの交響曲よりも満腹感が凄いです。

とにかく濃い演奏会にしたい!と言うならこれはとても良いですよ。

ハープ有り

ヴェルディ:「運命の力」

編成:Fl: 2, Picc: (1), Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3,Timp: 1, Cym: 1, BD: 1, Hp: 2
知名度:★★
演奏時間:7分

通称「ウンリキ」、ドラマティックで激しい曲です。これから始まる物語の壮絶さを感じさせる曲です。

強弱の波が激しく、そこに裏拍で動く事の多いバイオリンは本当に難しいですが、この曲はバイオリンが全体を引っ張って行く曲なので、とても重要です。

オペラのすべてが詰まっている序曲なので大満足の内容が濃い一曲です。

ムソルグスキー:禿山の一夜

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, BD: 1, Hp: 1, 銅鑼 , 鐘
知名度:★★★★
演奏時間:11分

冒頭から、有名なメロディーが流れてきます。おどろおどろしい弦楽器や木管楽器の伴奏に、管楽器の激しいメロディーが鳴り響きます。

管楽器にイメージが行きがちですが、バイオリンの上下の動きは聴こえないと曲が締まらないのでしっかり弾く事が重要です。

また、終盤はほとんどフルートのソロが続き静かに終わりを迎えます。中盤までの激しさで疲れないようご注意下さい。

ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Ehr: 1, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, Hp: 1,タンブリン
知名度:★★★
演奏時間:10分

華やかな冒頭と、ドヴォルザークらしい懐かしさや哀愁を感じさせるメロディーが素晴らしい曲です。

冒頭はバイオリンのメロディーと珍しくティンパニが音程を活かして輝きます。

中間部のイングリッシュホルンのメロディーや、バイオリンのソロを聴いていると交響曲第9番「新世界より」を感じさせます。ドヴォルザーク好きや民族音楽好きにはたまりません。

最後のタンバリンもグッと来ますよ!編成がクリア出来れば演奏したい素晴らしい曲です。

ウェーバー:「舞踏への勧誘」

編成:Fl: 1, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 4, Hr: 4, Tp: 2, Crnt: 2, Tb: 3,Timp: 1, Hp: 2
知名度:
演奏時間:8分

ウェーバーが作曲したピアノ曲をベルリオーズがオーケストラ用に編曲したのが今回紹介する「舞踏への勧誘」です。

ウェーバーが自身の奥さんに捧げた曲で、ピアノ曲は変ニ長調の柔らかい雰囲気ですが、ティンパニやトランペットのいるオーケストラ用にニ長調へ変調した曲で勇壮な雰囲気を感じさせます。

ボロディン:「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Ehr: (1), Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, BD: 1, SD: 1, Hp: 1,タンブリン,Glock
知名度:★★★
演奏時間:11分

ボロディンは私の大好きな作曲家で、美しくどこか切なさを感じさせるメロディーが素晴らしい作品が特徴です。

この曲にも交響曲第2番3楽章や、弦楽四重奏曲第2番3楽章と並ぶ素晴らしいメロディーが出て来ます。

冒頭のフルート、オーボエの掛け合いは本当に美しく、数あるクラシックのメロディーの中でも1、2位を争う心にグッと来るメロディーです。

サンサーンス:死の舞踏

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, BD: 1, Hp: 1, Xylo
知名度:★★
演奏時間:7分

半音低いチューニングの開放弦で奏でられるバイオリンの和音がとても印象的な曲です。死神がバイオリンで奏でるメロディーを表現しており、不気味だけどどこか滑稽な雰囲気が人気です。

お墓のしたから骸骨がうごめく音をチェロやコントラバスが表現し、骸骨の骨があたる音をシロフォンで、夜明けを告げる鳥の鳴き声をオーボエが奏でると、静まり返るといった場面を表しています。

バーンスタイン:「キャンディード」

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, BCl: 1, Fg: 2, Cfg: 1, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, BD: 1, SD: 1, Hp: 1,Xylo, Glock
知名度:
演奏時間:4分

バーンスタインはアメリカの作曲家、そして指揮者として有名です。ブロードウェイのミュージカル作品「ウエストサイド物語」のように、派手で親しみやすいメロディーが特徴です。

4分と短い曲ですが、管楽器や打楽器が活躍し、バイオリンの音の跳躍も多く激しく楽しい曲です。

動画は作曲者バーンスタイン自身が指揮をしている動画です。作曲者が指揮をしたり演奏する動画が見られるのはクラシックではとても貴重です。

番外編:チェロ活躍編

番外編は、著者が続けているチェロの大活躍するおすすめ序曲・オープニング曲を紹介します。知名度も高く、演奏時間もちょうど良いです。

ただ、チェロの難易度もさることながら、そもそも編成が大きいのでなかなか学生オケで実現するのは難しいかも知れませんが、もしチェロパートが万全の体制であればやってみたい作品です。

ポンキエルリ:「ラ・ジョコンダ」より時の踊り

編成:Fl: 2, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3,Timp: 1, Trg: 1, BD: 1, Glock
知名度:★★★
演奏時間:10分

ポンキエルリはイタリアの作曲家で、今回紹介する曲はオペラ「ラ・ジョコンダ」の作中のバレエ曲「時の踊り」です。

可愛らしい曲で、中間部にチェロパートの合奏があります。冒頭の可愛さとは一転、なんとも怪しい雰囲気のメロディーを約2分くらい演奏します。

トリルがあり使う音の幅も広いので演奏しにくい曲です。

可愛らしいメロディーはヤマザキパンのCMに使われており、結構耳馴染みの曲ですが、タイトルや作曲家はなかなか知られてないので、演奏会に使うと勉強になって良いです。

スッペ:「詩人と農夫」

編成:Fl: 1, Picc: 1, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3, Tub: 1,Timp: 1, BD: 1, Hp: 2
知名度:★★
演奏時間:10分

チェロ弾きでは有名な曲です。「線路は続くよどこまでも」にそっくりなメロディーを、どう上手く弾けば良いのか悩むところですが、ハープが伴奏をしてくれる最高の場面なので、ソロ終盤の跳躍とボウイングは早くならないよう気を付けましょう。

あとはバイオリンとピッコロにガンガンメロディーを弾いてもらうだけです。かなり早いテンポで細かいフレーズが続くので大変な曲ですが、気品のある序曲です。

オッフェンバック:「天国と地獄」

編成:Fl: 2, Ob: 2, Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3,
Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, BD: 1, SD: 1, Hp: 1
知名度:★★★
演奏時間:9分

華やかな冒頭がとても印象的ですが、一旦収まるとクラリネット、オーボエ、そしてチェロのソロと続く静けさもある曲です。

チェロのソロはたいして難しくないので、ゆったり弾けるメロディーです。G線で弾く音も出て来るので、チェロ弾きとしては楽しいです。

その後、フルートに繋ぎ盛り上がったあと、今度はバイオリンソロです。2分近くある長いソロのあと、ようやく運動会でお馴染みのメロディーが現れ、フィナーレを迎えます。

誰もが聴いたことのあるメロディーなので会場はとても盛り上がる良い曲です。

ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲

編成:Fl: 1, Picc: 1, Ob: 2, Ehr: (1), Cl: 2, Fg: 2, Hr: 4, Tp: 2, Tb: 3,Timp: 1, Cym: 1, Trg: 1, BD: 1
知名度:★★★★
演奏時間:11分

この曲はトランペットのメロディーがとても有名なですが、大まかに4つのパートに分けられます。

チェロパートの静かな合奏(夜明け)、管楽器の嵐のような激しいパート(嵐)、イングリッシュホルンとフルートの美しい鳥のさえずりのようなパート(静寂)、そして有名なトランペットのファンファーレパート(終曲)です。

終曲以外は各楽器の技量がそのまま演奏レベルになります。チェロパートを全面的にアピール出来る最高の曲です、選曲するからには徹底的に練習しましょう。チェロから始まる曲は珍しいので、こんな美しい旋律はぜひ弾いてみたいものです。


以上、演奏会向けの序曲・オープニング曲を紹介しました。

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