ピチカートが印象的なクラシック曲

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「ピチカート」とはバイオリンやチェロなど弦楽器の演奏方法の1つで、弦を指ではじいて音を出す事を言います。

弦楽器は通常、弓で弦をこすり音を出していますが、指ではじくことでポンッと軽やかな音を出すことが出来ます。
今回はそんな「ピチカート」の演奏が印象的なクラシック曲を紹介していきます。

ラヴェル:弦楽四重奏曲より第2楽章

ラヴェルはフランスの作曲家です。 この作品は全4楽章で演奏時間は約30分、ピチカートが出てくるのは第2楽章です。

悲しみを感じさせるバイオリンのメロディーと激しいピチカートの音色が対照的で素晴らしいです。

ラヴェル:《弦楽四重奏曲 第2楽章》 MMCJ M.Ravel: "String Quartet"|Yokohama Web Stage

バルトーク:弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽

バルトーク(1881〜1945年)はハンガリーの作曲家です。バルトークはピチカートを多く使う作曲家で、この作品でも上手に活用しています。

通常のピチカートは横に弾いて音を出すのに対して、バルトークのピチカートは指板(弦を押さえる時に触れる板)と垂直に弾くため、弾かれた弦が指板にあたり「バチン」と音がする奏法を好んで使っており、「バルトークピチカート」と呼ばれています。

Bartók : Musique pour cordes, percussion et célesta (Orchestre Philharmonique de Radio France)

ドリーブ:「シルビア」より「ピチカート」

ドリーブ(1836~1891年)は、フランスの作曲家です。

「シルビア」はバレエ音楽で、第3幕にこの曲が流れます。軽快でスピーディーなピチカートの響きと、ゆったりとしたフルートの音色が対照的で可愛らしい曲です。

Delibes: Sylvia – Pizzicato

ヨハン・シュトラウス2世:ピチカートポルカ

ヨハン・シュトラウス2世(1825~1899年)は、オーストリア出身の作曲家です。

「美しく青きドナウ」や「皇帝円舞曲」、「こうもり」序曲などワルツやポルカ、オペラなど数多くの親しみやすい曲を多く作っています。

こちらの曲は最初から最後までピチカートなので弓は持たずに演奏します。ちなみに、弓を使わない時は太ももに乗せておきます。

Pizzicato Polka live at the Royal Albert Hall (BBC Proms 2020)

ルロイアンダーソン:Plink Plank Plunk

ルロイアンダーソン(1908〜1975年)はアメリカの作曲家です。本物のライプライターを使った曲や、演奏中にタンゴを踊る曲、時計の音を表現した曲などユーモアがありとても耳馴染みやすい曲を多く作っています。

「Plink Plank Plunk」は終始ピチカート演奏の曲なので、弓を持たずに演奏します。また、曲調が明るく楽しい曲なので、アンコールでちょっとふざけて演奏したりされ人気の楽曲です。

「plink」と「plunk」には、「ポロンと鳴らす」という意味があります。「plank」にそう言った意味はなく「厚板」という意味があります。楽器をこすって「キュッ」という音を出すので、この音の出し方と語呂の良さで選ばれたのかも知れません。

どことなく、ドラゴンクエストⅡのパスワード入力画面で流れる曲「Love song 探して」に聴こえるのは年齢のせいでしょうか(笑)

Leroy Anderson: Plink, Plank, Plunk

チャイコフスキー:交響曲第4番第3楽章

チャイコフスキー(1840〜1893年)はロシアの作曲家です。交響曲は6つ作曲し、4番目の交響曲にピチカートを使った楽章があります。

3楽章は、弦楽器、木管楽器、金管と打楽器と3部に分かれて曲が進んでいきます。この楽章は交響曲では珍しくずっとピチカートです。

交響曲第4番自体は重々しく、金管楽器が大活躍する曲ですが、3楽章は一転して軽やかな曲調が人気の曲です。

Tchaikovsky: Symphony No. 4, 3rd mvt. / Videnoff – Mannheimer Philharmoniker

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