厳かなで華やかな雰囲気の入学式では、多くのクラシック曲が使われています。
小・中・高校ではCD音源を流すのが基本だと思いますが、大学では学内の学生オーケストラが演奏することもあります。ちなみに、私がチェロを始めたきっかけは入学式のオーケストラ演奏を見て、チェロに一目ぼれしたためです。
そこで今回は、入学式などに使われているクラシック曲を、演奏する人数や規模に分けて紹介していきます。
弦楽四重奏曲~弦楽合奏
まずは、弦楽四重奏や弦楽合奏など人数が少なくても大丈夫な小編成で演奏できる曲をご紹介します。
入学式の規模によっては物足りないかもしれませんが、小さめのホールでの演奏や、サークル等の歓迎会などでは手軽に演奏出来ておすすめです。
一人ひとりの動きや音がはっきり聴こえるためより楽器の魅力をダイレクトに感じやすい反面、ごまかしの効かないシンプルな構成のため、実力がはっきり分かるのが良い点でも悪い点でもあります。
ヴィヴァルディ 「四季」より春 第一楽章
ヴィヴァルディが作曲した「四季」の中から「春」の第一楽章です。
「四季」は春、夏、秋、冬の各季節をイメージしたそれぞれの楽章があり、今回紹介する「春」の第一楽章は入学式にピッタリの華やかな曲です。誰もが知っている有名な曲であり、演奏の難易度も古典の曲なので低いため、是非ともオススメの曲です。
パッヘルベル カノン
スローテンポで厳かな雰囲気が入学式にピッタリです。演奏難易度が低く、楽器を始めたばかりの人でも演奏しやすいため、人数を確保しやすい曲です。
2小節の同じメロディをずっと奏でるチェロパート。冒頭はチェロのみなので、音程の良し悪しはハッキリ分かってしまう恐ろしい曲ですが、そこは何度も練習して上手く乗り切りましょう!
基本的には全体的に同じメロディの繰り返しなので、式の長さに合わせて同じ部分を何度も繰り返して延長したり、演奏人数を増やしてボリュームを増やしたり出来るのもこの楽曲の便利で良いところです。
『弦楽四重奏バージョン』
『弦楽合奏バージョン』
J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番 BWV1068 第2曲
ゆったりとした曲調で、少し憂いを帯びた雰囲気が厳かな雰囲気を醸し出しています。テンポがゆっくりで難しい指使いもないため、演奏側から人気の曲です。
ヴァイオリンとピアノ用に編曲されたバージョンが、いわゆる「G線上のアリア」と呼ばれとても有名な曲となっています。ヴァイオリンは4本の弦からなっており、指で押さえずに出る音を高い音からE線(ミ)、A線(ラ)、D線(レ)、G線(ソ)と呼び、一番低い音が出るG線だけで演奏するから「G線上のアリア」と呼ばれています。(弦楽合奏ではG線だけでは演奏しません)
オーケストラ
お次は、オーケストラ編成の曲をご紹介します。
管楽器も編成されるため、弦楽合奏に比べて一気にボリュームも増え、華やかな雰囲気が出てきます。
難易度はやや上がりますが、気分が高揚する素晴らしい曲たちを紹介します。
ヘンデル 「水上の音楽」よりアラ・ホーンパイプ
ヘンデルはバッハと同時期に活躍した作曲家で、数多くのバロック音楽を作曲しました。
「水上の音楽」は19曲が集まった作品集で、今回ご紹介するのは、中でも1番有名な「アラ・ホーンパイプ」という曲です。
バロック音楽といえば貴族のために作られているので、格式高く華やかな入学式にピッタリの曲です。
エルガー 威風堂々
イギリスの作曲家、エドワード・エルガーが作曲した行進曲集の第一番です。
原題は「Pomp and Circumstance」で、「pomp」 は「壮麗、華麗」、「circumstance」 は「儀式張った、物々しい」という意味です。
この曲の中間部のメロディーはイギリスの第2の国家とも言われるほど親しまれており、「希望と栄光の国』」(Land of Hope and Glory )と呼ばれています。サッカーの試合終了後にサポーターが歌っていたりしています。大学の入学式でこの曲が演奏さえれているのを見て、チェロに一目惚れし、クラシックの世界へ入りました!
力強い前半、後半と、優雅な中間部がとにかく素敵で素晴らしい名曲です。
ヨハン・シュトラウス1世 ラデツキー行進曲
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートでは必ず演奏される定番曲です。
スネアドラムの冒頭リズムだけでワクワクしてくる、気分が高揚する行進曲です。
動画はニューイヤーコンサートのものなので手拍子が入っています。日本の入学式では手拍子出来ませんが、明るい気持ちにしてくれます。
ブラームス 大学祝典序曲
ブラームスが作曲した序曲で、編成が大きく楽曲の難易度もかなり高いですが、とても有名で華やかな曲です。
ブラームス自身は祝賀用のファンファーレ的な作品が嫌いだったためあまり気が乗らなかったと言われています。様々な学友歌からフレーズを取り、つなぎ合わせて作った今作について、「学生の酔いどれ歌のひどくがさつなメドレー」を『大学祝典序曲』と名づけた毒舌エピソードが残っています。
作曲の経緯はさておき、楽曲としては人気が高く、ブラームスの作品の中でも特に親しまれている素晴らしい曲です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。1度は聴いたことがある曲もあったと思います。
新しいスタートとなる入学式、晴れやかな気持ちを盛り上げる名曲たちはどれも素晴らしいですね。
また、今回ご紹介した曲の作曲家は他にも素晴らしい曲の数々を作曲しているので、また別の機会にご紹介したいと思います。
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