暑すぎる夏をさらに盛り上げる!?夏に聴きたいおすすめのクラシック音楽12選

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 クラシック音楽といえば、優雅で気品ある落ち着いたイメージを持つ方が多いと思いますが、実は激しく熱のこもった荒々しい作品も数多くあります。

あまりにも暑すぎる夏、少しでも涼しい気分になりたい時もあると思いますが、今回はそんな厳しい暑さを吹き飛ばす、むしろより暑くなるような熱気ムンムンのクラシック音楽をあえて紹介します!

視聴できる音源を貼っているので聴いてみて下さい。長い曲は盛り上がる場面から聴くことができます。

暑い夏をさらに盛り上げる!?激熱なクラシック音楽 12選

ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指輪」より「ワルキューレの騎行」

 ドイツの作曲家ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」から、「ワルキューレの騎行」をご紹介します。冒頭の力強いトランペットのメロディーは誰もが聴いた事のあるメロディーで、その後も金管楽器が大いに活躍する大迫力の作品です。

「ワルキューレ」は北欧神話に出てくる天馬に乗った女死神です。音楽的に少し説明すると、金管楽器の力強いメロディーではワルキューレの壮大さを、木管楽器の細かい16分音符はワルキューレ達の風の音を、弦楽器の上下に動くメロディはワルキューレが空中を動く様を描いており、ワーグナーはこういった表現にとても長けています。

もともと人気のあるこの曲を一躍有名にしたのが、アメリカの映画監督コッポラです。「地獄の黙示録」で軍用ヘリコプターが村を爆撃するシーンで使われ、今でもそのイメージが消えないほどのインパクトを与えました。下記にご紹介します。

'Ride of the Valkyries' | Apocalypse Now

続いて、こちらは演奏の動画をご紹介します。演奏動画からも力強い迫力を感じられる素晴らしい演奏です。

Apocalypse Now: Ride of the Valkyries // Danish National Symphony Orchestra (LIVE)

グリーグ/組曲「ペールギュント」より「山の魔王の宮殿にて」

 主人公「ペールギュント」が迷い込んだ山の魔王の宮殿から逃げる様子を音楽で表しています。最初はゆっくりと、不気味なファゴットのメロディーで始まります。徐々にスピードを上げたらそこからは一気にフィナーレまで走り切ります

最近では日本テレビの番組「Golden SixTONES」のコーナー「サイズの晩餐」でビリー・アイリッシュの「Bad Guy」と並んで使用されていて聴いた事がある方も多いと思います。

Grieg – In the Hall of the Mountain King from Peer Gynt. Jacek Kaspszyk & Warsaw Philharmonic

ベルリオーズ/幻想交響曲 第4楽章「断頭台への行進」

 アヘンによる服毒自殺しようとしたが死にきれず、アヘン中毒になった若い音楽家が見る幻想を音楽にした、やばそうなにおいがプンプンするこの作品は、ベルリオーズ自身の失恋体験を基に作曲した交響曲と言われています(ベルリオーズ自身もアヘンを使ったと匂わせています)。

紹介する第4楽章では、アヘン中毒の男が夢の中で恋人を殺した罪で、断頭台に連れていかれる様子を描いています。おどろおどろしい雰囲気、徐々に大きくなる演奏、そして最後に首をはねられ転がり落ちる様子が音楽でありありと表現されていて、とても人気のある楽章です。

次の5楽章「魔女の夜宴の夢」も同じような雰囲気なので、約10分くらいですが興味のある方は続けて聴いてみて下さい。

ちなみに、今回紹介している下記の動画はシャルル・ミュンシュ指揮、パリ管弦楽団演奏(通称:パリ管)の録音ですが、幻想交響曲の演奏では必ず取り上げられる最高の名盤です!情熱的な指揮を得意とするミュンシュと、派手な演奏が特徴のパリ管が曲の魅力を最大限に引き出しています。

Berlioz: Symphonie fantastique, Munch & Orchestre de Paris (1967) ベルリオーズ 幻想交響曲 ミュンシュ

チャイコフスキー/大序曲「1812年」

 楽譜に「大砲(cannon)」が出てきます、本当です。20分近くある曲ですが、何より凄いのは終盤。音の強さを表す標記「f(フォルテ)」で、全楽器に「ffff」と表記されています。これだけでも迫力が伝わってくると思いますが、最後に大砲が何発も発射されてとんでもない盛り上がりを見せます。

実際、演奏会では大砲は使えないので大太鼓や鐘などの打楽器で音を再現しますが、自衛隊の屋外での演奏では実施に大砲を使用した演奏が聴けます。とんでもない迫力にカメラが一瞬ぶれ、客席からは悲鳴があがっています。生で見れたらさぞ興奮することでしょう!

下記の動画は自衛隊のウィンドオーケストラの演奏です、大砲の迫力を感じてみて下さい(実弾ではなく空砲です)。

Tchaikovsky "1812 Overture" with 105mm Cannons 20101017 (2/2)

ハチャトゥリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より「剣の舞」

 運動会で良く耳にする作品で、打楽器が活躍する派手で疾走感のある楽しい曲です。木琴の軽快な演奏が気持ちを前に前に誘い出してくれるような印象を受けます。

約2分程度の短い曲ですが、最初から最後までスピードを落とさず華麗に走り抜ける様はスカッとして気持ちが良いものです。

作曲家のハチャトゥリアンは、「剣の舞」だけがあまりにも飛びぬけて有名になってしまったことをとても後悔していたようで、「こうなると分かっていたらこの曲は作らなかった」とまで言っていたそうです。

Khachaturian: Sabre Dance / Rattle · Berliner Philharmoniker

ハチャトゥリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より「レズギンカ」

 「剣の舞」と比べると知名度は低いですが、動画で見ると物凄い熱量を感じる作品です。スネアドラムのハイスピードな連打にフルートが超高速のメロディーを奏で、トランペットが高らかに吹き鳴らし、最後は弦楽器も管楽器も打楽器も全力で疾走する演奏は、とてもスカッとする最高の一曲です!

あまりのスピードに多少タイミングが合わなかったり楽譜通りに演奏出来てない部分もあると思いますが、それ以上に曲の魅力を最大限に引き出した素晴らしい演奏だと思います。

[1991 Live] "Lezginka" – Moscow Radio Symphony Orchestra, 7th Jun 1991 Japan

ビゼー/組曲「カルメン」より「第1幕への前奏曲」

 フランスの作曲家ビゼーがオペラ「カルメン」の曲を抜粋して作られた組曲「カルメン」から「第1幕への前奏曲」をご紹介します。

冒頭から弦楽器、木管楽器が同じメロディーをffでせわしなく演奏し、ティンパニやシンバルが合いの手をいれる華やかな曲です。中間部はいったん落ち着き、流れるようなメロディーとなり、徐々に音量を増して、最後は冒頭のメロディーに戻り派手に終わりを迎えます

テレビやCMで使われることの多い本作は、最近だと日本テレビ「オモウマイ店」で使われており、耳にしたことがある方も多いと思います。

Gustavo Dudamel conducts Bizet's Carmen at his inaugural concert at the Opéra de Paris

ホルスト/組曲「惑星」より「火星」

 「木星」がとても有名なホルストですが、同じ組曲の中の「火星」も人気があります。原題は「Mars, the Bringer of War」と表記されており、日本語に訳すと「火星、戦争をもたらす者」と題されています。

弦楽器が弓の木の部分で弦をたたく珍しい演奏方法(コル・レーニョ)で一定のリズムは、まるで軍隊が行進しているかのようで、曲全体を通して徐々に音が大きくなり盛り上がりを見せます。戦争のラッパのような管楽器の音や、低音楽器の迫りくるようなメロディーが打楽器と相まってフィナーレに向かいさらに熱く盛り上げてくれます

Mars from Holst's The Planets with Dudamel & the LA Phil

ヴェルディ/「レクイエム」より「怒りの日」

 イタリアの作曲ヴェルディの「レクイエム」から「怒りの日(Dies iræ)」を紹介します。

バスドラムとティンパニが交互にたたき合う冒頭の迫力は最強のイントロと言えます。映画「バトルロワイヤル」でも使用されたこの曲は、最後の審判の日にふさわしい神々しさを感じ、オーケストラと合唱が組み合わされたことで圧倒的な迫力を生み出した本作は、聴いている人すべての心を揺さぶる熱量を持っています。

「レクイエム」とは本来、教会のミサや、死者を弔う曲という意味合いを持つため、あまりにもドラマティックで激しいエネルギーを持つこの作品は評判が分かれるそうです。ちなみに「怒りの日(Dies iræ)」の歌詞は以下のとおりです。

Dies iræ, dies illa
solvet sæclum in favilla:
teste David cum Sibylla
Quantus tremor est futurus,
quando judex est venturus,
cuncta stricte discussurus.
怒りの日、その日は
ダビデとシビラの預言のとおり
世界が灰燼に帰す日です。
審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはどれほどでしょうか。

世界が灰燼になる、すべてが厳しく裁かれる、どれほど恐ろしいのか・・・。歌詞の意味を最大限に表現する音楽にただただ感動を覚えます。

スコアにはバスドラムと表記しているだけですが、下記動画はバスドラム×2になっていてとてもパワフルな演奏になっています。指揮者のグスターボ・ドゥダメルはこういったパワフルな指揮が得意で、1つ前に紹介した「火星」も彼の指揮による演奏です。指揮者によって演奏が大きく変わることもクラシックの魅力の1つだと言えます。

Verdi – Dies Irae Requiem – Gustavo Dudamel

オルフ/「カルミナ・ブラーナ」より「おお、運命の女神よ」

 本作品もオーケストラと合唱の曲で、ヴェルディの「レクイエム」に負けないくらいの迫力を持つ作品です。打楽器に合唱の組み合わせは激熱です。

格闘技やサッカーの入場曲やドラマ、映画、ゲームなど幅広く使われるドラマティックな作品です。FinalFantasyⅦのセフィロスのテーマ「片翼の天使」に使用されている歌詞は、全て「カルミナ・ブラーナ」からつぎはぎして作られており、様々な影響を与えるインパクト大の作品です。

バイオリンを持って指揮をするアンドレ・リュウは、指揮者でありバイオリニストでもあります。「音楽は楽しむもの」という信念をもっており、この演奏でも曲の魅力を最大限に引き出すパワフルな動きで見ていて気持ちが良いですね。

André Rieu – O Fortuna (Carmina Burana – Carl Orff)

バーンスタイン/キャンディード序曲

 アメリカの指揮者であり、作曲家、ピアニストであったバーンスタインが作曲した「キャンディード」序曲をご紹介します。

開始から打楽器と金管楽器が華々しくファンファーレを鳴らし、終わりまで一切スピードを緩めることなく、最後はさらに加速して終わる勢いのある作品です。「キャンディード」はアメリカのミュージカル作品で、今までの紹介した音楽よりポップで明るい印象を与えてくれます。

動画はバーンスタイン自身の指揮で演奏されたものです。クラシック音楽で作曲者が指揮をした動画が見られることはほとんどないため、とても貴重な映像だと言えます。

Candide Overture: Leonard Bernstein conducting

プロコフィエフ/組曲「ロメオとジュリエット」より「モンタギュー家とキャピュレット家」

 シェイクスピアの有名な戯曲「ロミオとジュリエット」を、ロシアの作曲家プロコフィエフがバレエ音楽として作った作品が「ロメオとジュリエット」です。その中から「モンタギュー家とキャピュレット家」をご紹介します。

対立する2つの名家同士の決闘を描いたシーンで、静かな不協和音から一転、トロンボーンとチューバが大活躍の迫力ある場面です。異なる3つのメロディーが重なり合う重要なシーンでもあり、音に厚みがあって熱気のある曲となっています。

有名なところだとソフトバンクのCMに使われていたので、耳にしたことがる方も多いと思います。

PROKOFIEV Suite from Romeo and Juliet – "Montagues and Capulets"

まとめ

 いかがでしたでしょうか。

曲によっては盛り上がる部分から再生するように動画を紹介しましたが、興味が出てきたら曲全体を通して聴くと、より印象深く楽しめると思います。

クラシック音楽を聴いて、暑い夏を乗り切りましょう!

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