今回は、運動会で良く聴く有名なクラシック音楽をご紹介します。
この曲は聴いた事がある、聴いた事はあるけど名前は知らない曲、これは運動会に合いそう!など新たな発見になればと思います。
- 徒競走、リレーなどで良く聴くクラシック音楽 16曲
- ルロイ・アンダーソン/トランペット吹きの休日
- ルロイ・アンダーソン/プリンク・プレンク・プランク
- ルロイ・アンダーソン/タイプライター
- ルロイ・アンダーソン/フィドル・ファドル
- ドミトリー・カバレフスキー/道化師のギャロップ
- オッフェンバック/序曲「天国と地獄」より第3部「カンカン」
- ジョアキーノ・ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
- ヘルマン・ネッケ/クシスコ・ポスト
- ジョルジュ・ビゼー/オペラ「カルメン」より「第1幕への前奏曲」
- アラム・ハチャトゥリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より「剣の舞」
- アラム・ハチャトゥリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より「レズギンカ」
- リヒャルト・ワーグナー/オペラ「ローエングリン」より「第3幕への前奏曲」
- ピョートル・チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「トレパック」
- ミハイル・グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
- ヨハン・シュトラウス2世/ポルカ「狩り」
- 芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽 二楽章
- 表彰式、入場などで良く聴くクラシック音楽 8曲
- まとめ
徒競走、リレーなどで良く聴くクラシック音楽 16曲
まずは徒競走やリレーなど競技で良く聴くクラシック作品をご紹介します。テンポの速い曲や打楽器が派手にならす曲など、耳にしたことがある曲も多数出てきます。
ルロイ・アンダーソン/トランペット吹きの休日
アンダーソンはアメリカの作曲家で、ポップな曲調の作品を多く残しました。本作は軽快なメロディーをトランペットが奏でるアンダーソンを代表する1曲です。
トランペット吹きの休日というタイトルですが、主役のトランペット3本は休むことなく演奏することになるので大変そうです。
ルロイ・アンダーソン/プリンク・プレンク・プランク
こちらもアンダーソン作曲てす。曲を通してすべて弦楽器のピチカートで演奏される軽快で可愛い曲です。幼稚園児の可愛らしい徒競走や、障害物競走など見ていて楽しい競技にピッタリの明るい曲です。
ちなみに、タイトルの「プリンク・プレンク・プランク」は英語で「Plink Plank Plunk」と表記します。「Plink」=「軽く響く音、ポロンと弾く」、「Plunk」=「ぽんと置く、ポロンと弾く」、「Plank」=「板」。ピチカートの合間に、楽器の側面をこすってキュッと音を出すので、「板」というタイトルが入っているかもしれません。
ルロイ・アンダーソン/タイプライター
続いて、クラシック音楽としてはとても珍しい物が楽器として使われている作品です。タイトルにあるとおり、まさに「タイプライター」が楽器として演奏されます。カタカタとリズミカルなリズムを刻む本作品は少しリラックスしながら徒競走に望めそうです。
仕事に追われて忙しい様子をユーモラスに表現しており、見ていて面白い演奏もあるのでぜひ動画をご覧になってください。
ルロイ・アンダーソン/フィドル・ファドル
アンダーソンが続きましたが最後の曲は、フィドル・ファドルです。
「フィドル(fiddle)」=「ヴァイオリン」、「ファドル(faddle)」=「ばかばかしい、くだらない」という意味の本作。
ドミトリー・カバレフスキー/道化師のギャロップ
ロシアの作曲家カバレフスキーの管弦楽組曲「道化師」から、第2曲「ギャロップ」をご紹介します。日本の運動会ではお馴染みで、「道化師のギャロップ」と呼ばれています。
木琴が使用されていてとてもリズミカルに感じます、スタートの勢いそのままに最後まで駆け抜ける、まさに徒競走を音楽で表現したような作品です。
オッフェンバック/序曲「天国と地獄」より第3部「カンカン」
オペラ「天国と地獄」を編曲し作られた序曲で、有名なのは序曲の後半部分、いわゆる「カンカン」と呼ばれる部分です。
シンバルとトライアングルが早いテンポでリズムを刻み、スタッカート気味の演奏は思わず駆け出したくなる雰囲気です。終盤に向けて加速する演奏は天将をあげてくれますね!
ジョアキーノ・ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
実はこの曲、4部構成になっていて、全体は12分程度の序曲としては長めの曲です。そして、皆さんが耳にしたことがあるのは第4部の「スイス軍隊の行進曲」と言われる部分です。
トランペットのファンファーレから始まり、馬のギャロップのようなリズムを繰り返しながら徐々に盛大になってフィナーレを迎えます。走るぞー!という気持ちにさせてくれますね。
ヘルマン・ネッケ/クシスコ・ポスト
The・運動会song。誰もが聴いた事のある曲です。
「クシスコ」=「馬に乗る人」、「ポスト」=「郵便」を意味しており、馬で郵便を配達する様子を音楽にしています。日本ではゲーム音楽で使用されることが多く、くにおくんの大運動会やヨッシーのクッキー、ワギャンパラダイスなどで使われています。
ジョルジュ・ビゼー/オペラ「カルメン」より「第1幕への前奏曲」
日本テレビ「オモウマイ店」で使用されているこの曲は、シンバルのジャン、ジャンが心地よい明るい曲です。弦楽器と木管楽器が同じメロディーを弾き、金管楽器と打楽器が合の手を入れるシンプルで分かりやすい曲なので、とても親しみやすい1曲です。
アラム・ハチャトゥリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より「剣の舞」
運動会では定番の1曲です。打楽器のどんちゃん騒ぎに、木琴や金管楽器がテンポよくメロディーを奏でる本作を聴きながら徒競走をしたという方も多いのではないでしょうか。
2分半程度の短い曲なので、何回かリピートして使用するのが良さそうですね。
アラム・ハチャトゥリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より「レズギンカ」
「剣の舞」と比べるとかなりマイナーな曲ですが、テンポの速さ、明るい曲調、力を鼓舞するようなエネルギーを持つ本作はもっと知れ渡って欲しい1曲です。
動画では、煽るようなスネアドラムのテンポにトランペットついていけてないじゃないかと思うところが何回かありますが、曲の魅力が最大限に発揮された素晴らしい演奏に感じます。
リヒャルト・ワーグナー/オペラ「ローエングリン」より「第3幕への前奏曲」
金管楽器の華やかなファンファーレと弦楽器のスピーディーな動きが特徴の本作品。中間部は低音パートが力強く勇壮なメロディーを奏でるので、徒競走だけでなく表彰式にも向いていると感じます。
ピョートル・チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「トレパック」
ロシアの作曲家チャイコフスキーの作品です。早いテンポと重厚感のある音楽に力が入ります。
この曲を用いてコサックダンスを振付することもあり、思わず体が動きたくなる曲です。
ミハイル・グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
「ルスランとリュドミラ」序曲は、クラシックを普段聴かない方にはあまり知られていないかもしれませんが、スピーディーなテンポと明るく激しい曲調でコンサートのオープニングによく使われる作品です。
チェロ奏者の私としては、こんなとんでもないスピードをヴァイオリンと同じ譜面で要求されることが信じられません。コントラバスも弾いているので文句を言えませんが・・。1曲弾いたら100m走り切ったくらい疲れます(笑)
ヨハン・シュトラウス2世/ポルカ「狩り」
ドイツの作曲家ヨハン・シュトラウス2世が作曲した本作。「ポルカ」というジャンルは速いテンポで弾むようなリズムを刻む曲なので、運動会向けと言えます。
狩りの合図を管楽器が、狩りの様子を動画ではピストルの空砲で表現するなど、聴いていて楽しい音楽です。
芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽 二楽章
芥川也寸志(やすし)は日本の作曲家で、芥川賞で有名な芥川龍之介の三男です。ご紹介するのは交響管弦楽のための音楽から二楽章を紹介します。
力強いトランペットのメロディーから、ティンパニがリズムよくたたく、テンションの上がる名曲です。
表彰式、入場などで良く聴くクラシック音楽 8曲
ここからは、主に表彰式や入場行進などで使われるクラシック音楽を紹介します。クラシック音楽らしい、荘厳な雰囲気の曲やスポーツ大会で耳にする名曲を紹介します。
エドワード・エルガー/行進曲「威風堂々」
曲全体を通して力強さを感じる本作は、中間部の優雅な曲調と華やかな終盤が運動会の表彰式にうってつけの作品です。
また、エルガーはイギリス出身の作曲家で、この曲に感激した国王エドワード7世の提案によって中間部に歌詞を付けたものが「希望と栄光の国」という名でイギリス第二の国歌として愛されるようになりました。下に紹介する動画でも国旗を掲げながら歌う姿が見られます。
ヨハン・シュトラウス/ラデツキー行進曲
ラデツキー行進曲は毎年開催されるウィーンフィルハーモニーのニューイヤーコンサートで必ず演奏される大人気の作品です。軽快なリズムが特徴で、指揮者が観客席の方を見て手拍子する姿はコンサートの定番となっています。
冒頭のスネアドラムのリズムが気持ちいい、入場曲にピッタリの作品です。
ケネス・アルフォード/行進曲「ボギー大佐」
アルフォードはイギリスの作曲家で、軍楽隊の隊員として活動している際に作曲された行進曲です。実は「ケネス・アルフォード」という名前は偽名なんです。作曲当時は軍人で、軍人が軍隊のそとで活動する事を良しとされていなかったことから、このペンネームで発表し定着しました(本名は「フレデリック・ジョゼフ・リケッツ」)。
映画「戦場にかける橋」で使用されたことで有名になりました。日本では行進曲として親しまれていますが、何故かメロディーに合わせて「サル・ゴリラ・チンパンジー」と口ずさんだことがある方も多いのではないでしょうか。私もそうでした(笑)
ジョルジュ・ビゼー/組曲「アルルの女」より「パストラーレ」
管楽器のファンファーレのあと、弦楽器がゆったりと荘厳なメロディーを奏でます。
苦労を労うような優しい音色が、運動会を締めくくってくれます。
ジェレマイア・クラーク/トランペット・ヴォランタリー
本作品はイギリスの作曲家クラークが作曲した楽曲で、明るい曲調と格調高い雰囲気が愛される名曲で、結婚式で良く使われた作品です。
この曲は実は時代と共にいろいろな経緯をたどった珍しい楽曲でもあります。ざっくり説明すると、
①1700年、クラークがチェンバロ用の曲として「デンマーク王時の行進曲」として発表
②1878年、オルガニストのウィリアム・スパークがオルガン曲集の1曲として「トランペット・ヴォランタリー」を「作曲者パーセル」と誤って発表←ここでタイトルと作者が誤る
③スパーク没後、指揮者のヘンリー・ウッドがトランペット独奏曲として「トランペット・ヴォランタリー」を発表←誤ったまま、全世界で有名になる
その後の研究で、現在はクラーク作曲の作品として知られていますが、とにもかくにも、原曲が素晴らしいことには変わりないですね。耳にしたら、ふと思い出してみても面白い小ネタでした。
ジョン・フィリップ・スーザ/星条旗よ永遠なれ
アメリカの作曲家スーザによる行進曲です。アメリカ海兵隊音楽隊隊長のスーザは数多くの行進曲を残し、「マーチ王」と呼ばれており、彼の一番有名な作品です。
アメリカでは国の公式行進曲として制定されており、アメリカ人の愛国心の象徴ともいえる作品です。リズミカルで力強い本作は聴いていて力が湧いてくる、運動会の入場にピッタリな作品です。
ジュゼッペ・ヴェルディ/歌劇「アイーダ」より「凱旋行進曲」
荘厳な作品を多く残したヴェルディの「凱旋行進曲」は、サッカーの試合でたびたび耳にする曲で、トランペットのメロディーを一緒に歌った事がある人もいるのではないでしょうか。
この「凱旋行進曲」は、歌劇「アイーダ」の中で、主人公の将軍が戦争に勝ち、祖国に凱旋したときにかかる名曲で、勝利を喜ぶ歌として広く愛されています。
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル/オラトリオ「ユダス・マカベウス」より「見よ、勇者は帰る」
タイトルは知らなくても、誰もが一度は耳にしたことがある作品だと思います。表彰式でよく使われるこの作品は、ヘンデル作曲のオラトリオ「ユカス・マカベウス」の58番目の曲です。
イギリスでは讃美歌の歌詞を付けて演奏されたり、近代オリンピックや、日本でも運動会の原形と言われる競闘遊戯(きそいあそび)で演奏されたことがありました。
荘厳な雰囲気が競い合った人々をたたえる歌として、いつしか運動会に定着したと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
運動会の気分を高めてくれるクラシック、タイトルは知らないけど、聴いた事のある曲が多かったと思います。
参加する学年や競技内容によっていろいろ使ってみてください。